常に船のオーナーやユーザーの客先に出向き、塗料製品への信頼を築いてきた技術サービスのスペシャリストが、初めて中国に飛んでから早や4年。年間150日の海外出張経験が、彼の人間力を磨き、キャリアを光らせる。
私たち技術第一部のエンジニアが出かける場所は、研究開発部が「創り」、技術第二部が「造った」塗料を使用するユーザーの塗装現場。新造船や修繕船が入る造船所のドックです。そこで納入した塗料の正しい塗装方法や施工をアドバイスしたり、職人や工員に対する技術指導、さらに正しい膜厚で塗装されたかのチェック作業等を行ったりします。塗装作業に汗を流すのはあくまで造船所の作業員たちですが、夏は暑く、冬は寒い作業環境や、ケガや事故と隣り合わせのハードさは、慣れるまでちょっと辛いかもしれませんね。でも、見上げるほど巨大な大型船の迫力や、塗装作業が予定通り終了した時の達成感は、オフィスのデスクや研究室では味わえない心地よさ。技術サービス担当ならではの醍醐味と言えますよね。

日本ペイントマリンでは、4年前の平成16年に本格的なグローバル戦略をスタート。その第一陣として、「中国に行ってくれ」といきなり言われた時は本当に驚きました。まず中国語なんてまったくわからないし、英会話もダメ。現地の中国人技術者や職人への技術指導の業務は、技術サービス一筋12年のキャリアと通訳の協力で順調に進めることができましたが、仕事を終えた後や休日の生活に感じる不自由さにストレスを感じることも少なくありませんでしたね。2年前に、上海地区の小さな島の造船所に正月返上で3ヶ月間赴任したときは、食事が合わなかったのか、腸閉塞に。入院・手術の末に緊急帰国となり、さすがにまいりましたが、あの大変な経験を思えば、もう海外のどこへ行こうが何をしようが大丈夫(笑)。なるようになると肝が座りました。あの大きな中国大陸が、少しずつ小さく感じるようになりましたよ。

私の名字の生田(いくた)は、中国語読みでは“シュンティエン”。中国担当も4年目を迎え、そう呼ばれることにも違和感がなくなってきました。新造船や補修船の主要国として、中国だけではなく韓国や台湾、シンガポールといった国々にも、日本ペイントマリンの技術サービススタッフの活動エリアは広がります。たとえ言葉が通じなくても、塗料に関する確かな知識と熱い心さえあれば、どこの国の人々とも自由自在にコミュニケーションできるはず。かけがえのない海と、海に生きる生き物たちのために、環境に優しい船舶用塗料を開発・供給する自分たちの信念を、強い意志の力で相手の心に伝えてほしいですね。私たちが企業理念に掲げるエコロジー・ファーストの価値観を世界の常識として広めること。それが、海外ビジネスの成功の秘訣であり、技術サービススタッフの「売る」仕事の本質だと思います。






